SAS、SCSIベースのHDDの診断と修復、
およびデータリカバリーが可能なハードウェアシステム
PPC-3000 SAS 6 Gbit/sは、SAS(Serial Attached SCSI)、またはSCSIインターフェースの損傷したHDDの診断と修復、およびデータリカバリーを目的としたハードウェア/ソフトウェアソリューションです。
PC-3000 SAS 6 Gbit/sとData Extractorで構成されるPC-3000 SAS 6 Gbit/s Systemは、SASまたはSCSIベースのHDDの修復とデータリカバリーを可能にします。
高性能なSAS 6 Gbit/sコントローラ搭載テスターボード
PC-3000 SASは、4チャンネルバスのPCI-Expressボードに隣接したボードにSASポートが4つ備わっており、同時に4台のHDDの作業を行うことができます。
SAS-2.0に準拠した4つの独立した個々のチャンネルのデータ転送速度は最大6 Gbit/sになります。(データ転送速度は、接続しているドライブの速度によって変わります。)
PC-3000 SAS 6Gbit / s
-
-
ports
with speed up to600 MB/s
-
of healthy
SCSI/SAS&SATA
drives
-
PC-3000 SASは、全般的なテストを行うユニバーサルユーティリティとテクノロジカルモードでテストする専用ユーティリティで構成されています。
- ユニバーサルユーティリティでは、以下の診断が行えます。
-
- HDDの全般的な性能チェック
- サーフェスのリード/ライト、ベリファイテスト
- P-listおよびG-listテーブル表示
- S.M.A.R.T.パラメータ(Log Sense)の表示
- HDDパラメータ情報の表示と変更
- HDDイメージの保存、保存イメージのHDD書き込み
- セクタエディタによる、指定したサーフェスの表示と編集
- 専用ユーティリティでは、以下の診断が行えます。
-
- IBM、Maxtor、Quantum、Fujitsu、HGST、SeagateのHDDチェック
- テクノロジカルモードでのHDDテスト、サービスエリア情報のチェック
- UEC-Listによる検出したエラーの確認と原因特定、診断結果の保存
- コンフィギュレーションページやモジュールの読み込み、書き換え、データベース登録
- サービス情報の構造テストと修復、トランスレータ再計算
- 物理パラメータを含むサーフェスや磁気ヘッドのテスト
- 不良セクタの除去、ファクトリフォーマット
- S.M.A.R.T.のクリア
SATA のHDD、SSDのスクリーニングや複製も行えます。
PC-3000 SAS 6 Gbit/sコントローラボードにSATAのHDD、SSDを接続し、リード/ライトモードでサーフェステストが可能です。たとえば、HDDのスクリーニング、または検証のためにHDDサーフェスをテストすることができます。また、SAS、SCSI、SATAのHDDやSSD などとのさまざまな組み合わせでデータをコピーでき、最大速度でイメージのコピーを作成することもできます。
2台のSATA HDDおよび2台のSAS SSDのチャート性能例
インテリジェント電源ユニットによる監視
4チャンネルの電源ユニットによってPC-3000 SASに接続されるHDDに電力を供給します。電源ユニットは、HDDの過電圧および過電流を防ぎ、緊急時はHDDを自動でオフにします。また、各チャンネルにはPC-3000ソフトウェアのフィードバック機能が備わっており、+5Vと+12Vの供給電圧の安定性をモニタリングし、電源回路に異常がある場合はユーザーに通知します。
PC-3000 SAS 6 Gbit/s電源ユニット
PC-3000 SAS 6 Gbit/sのインテリジェント電源ユニットには以下の機能が備わっており、最新のHDD診断とトラブルシューティングを可能にします。
・オシロスコープ機能
現時点の電力状況について詳細な情報を視覚的に表したグラフをリアルタイムで閲覧できます。この機能によって最新のHDD診断を行い、故障の原因を判断することができます。
HDD起動後の電圧オシロスコープ画面
・サウンドスピーカー機能
PC電源ユニットの故障あるいはHDDの過電流について警告します。トリガーされた保護システムによって対応するチャンネルの電圧がオフに切り替えられます。
PC-3000 SAS 6 Gbit/sのリソース管理
"PC-3000 Resource manager(リソースマネージャー)"により、PC-3000 SAS 6 Gbit/sを簡単かつ効率的に制御できます。PC-3000シリーズは、PC-3000機能のユーティリティとData Extractor機能のタスクを個別のOSプロセスとして起動しているため、これらのポートと関連するプロセスアクティビティの管理やポートの状態を制御でき、プロセス状況のチェックや必要に応じてプロセスを強制終了することもできます。
PC-3000 Resource manager(リソースマネージャー)
プロセスを開始した後は、PC-3000 SASのどのポートでも利用できます。たとえば、各ポートを使って4つのプロセスを実行、または1つのプロセスに4つのポートを使用することもできます。
PC-3000 SAS 6 Gbit/sのポート選択プロセス
PC-3000 SASを利用すれば、さまざまな
HDD障害からデータリカバリーが行えます。
-
-
- BIOSで認識しない
- モデル名、容量の異常
- モジュール損傷
- トラック損傷
- トランスレータ損傷
-
-
-
- 電源が入らない
- モーターが回転しない
- PCB破損、発煙、焦げ
- プロセッサ障害
- ファームウェア障害
-
-
-
- 異音、ノッキング
- 一部のヘッド損傷
- 一部のサーフェス損傷
- 多数の不良セクタ
- スクラッチ
-
-
-
- HDDパスワード
- HPA/DCO
- S.M.A.R.T.エラー
- その他
-
本製品は、以下のHDDメーカーに対応しています。
Data Extractor SAS は、PC-3000 SAS と
連携して機能するSAS、SCSIベースの
HDD対応のデータリカバリー専用ソフトウェアです。
- 主な対応ファイルシステム
-
- FAT、exFAT、NTFS、EXT2/3/4、HFS+、UFS1/2、XFS、ReiserFS、VMFS、APFS、WFS0.4、DHFS4.1ファイルシステムに対応しています。
- Flat、VMDK(VMWare)、VHD、VHDX、DMGなどの仮想イメージに対応しています。
- E01、AFF、S01、DEFFフォーマットの読み込み/エクスポートに対応。※DEFFはData Extractor Forensic Format(チェックサムと圧縮を使用したPC-3000の標準フォーマット)の略称。
- パーティション単位のソフトウェア暗号(Microsoft Bitlocker、Apple FileVault、TrueCrypt)、およびWesternDigital のSED(自己暗号化ドライブ)によるハードウェア暗号を復号可能です。
- 各国の文字コードに対応しています。
- Data Extractor SASを使うと、以下の作業ができます。
-
- ダイナミックトランスレータが損傷したHDDのデータを読み取ることができます。
- ヘッドマップ機能で、損傷したヘッドやサーフェスを除外してHDDからデータを読み取ることができます。
- テクノロジカルモードで物理障害のHDDからのデータを読み取ることができます。
- HDDを物理パラメータ(PCHS)で読み取り、LBAアクセスできないHDDからデータを読み取ることができます。
- PC-3000 SASに接続した障害HDDを、正常なHDDへコピーすることができます。
Data Extractor SAS は、このような場合に役立ちます。
HDDの障害は、論理的に損傷したHDD、物理的に損傷したHDD、および論理/物理的な損傷が組み合わされたHDDの3つに分けられます。
- 論理障害のデータリカバリーの場合
-
- パーティション情報(MBR、GPT、APSなど)の損傷
- ファイルシステムメタデータ(FAT、MFT、inodeなど)の損傷
- パーティション、フォルダやファイルの削除
- フォーマットによって生じたデータやメタデータの損傷
- ウィルスによる損傷
- 論理障害のデータリカバリーにおいては、以下の専用モードがあります。
-
エクス
プローラ
モード -
RAW
リカバリー
モード -
オブジェクト
マップ
モード -
クイック
ディスク解析
モード -
パーティ
ション解析
モード -
メタデータ
表示/編集
モード -
データ
マップ構築
モード
オブジェクトマップ
- 物理障害のデータリカバリーの場合
-
- サーフェスの損傷または不良セクタ
- ヘッド機能低下またはサーボラベルの損傷によるノッキング
- サービスエリア情報の損傷、BIOSで認識しない、容量0GB
- LBA-PCHSトランスレーションシステムが破損したHDD
- ヘッド移植など開封後の読み取りが不安定なHDD
- ホットスワップ後のデータリカバリー
- 物理障害のデータリカバリーにおいては、以下の拡張機能があります。
-
ファクトリ
モードでの
HDD読み取り
機能 -
ヘッドマップ
による読み取り
機能 -
読み取り
モードの選択
機能 -
読み取り方向
(Forward/
Back)
の選択機能 -
先読み
(キャッシュ
機能)
の無効化機能 -
自動再配置の
無効化機能 -
ハードウェア/
ソフトウェア
の再試行による
読み取り機能 -
ECCを
無視した
読み取り機能 -
使用済み/
未使用の
セクタマップ
による
読み取り機能 -
電源
コントロール -
ソフトウェア/
ハードウェアの
リセット機能
読み取りパラメータ
Data Extractor SASの幅広い可能性を活用すれば、論理障害や物理障害、またはその両方に起因する問題を含めて、さまざまなタイプのデータリカバリーに対応できます。
PC-3000 SAS 6 Gbit/sの仕様
スペック
- インターフェース
-
4チャンネルPCI-Express(2つのスロットを占有)
- ポート
-
SAS 4ポート(内部)
- 最大データ転送速度
-
600 MB/sec(1ポートにつき)
- 電源アダプタ
-
過電圧/過電流保護回路4チャンネルアダプタ。電圧/電流値測定、オシロスコープ機能付。(HDD電源コネクタは内部)
- サポートHDD
-
18 GB~10 TB(3.5 / 2.5インチのSAS, SCSI)
※SCSI(50pin、LVD、SCA)のHDDを解析する場合は、別途SCSIカードが必要。
動作要件
- サポートOS
-
Windows 10, 8, 7(SP1以降)/ х86、х64
- CPU
-
Intel Core i5以上推奨
- メモリ
-
8GB以上推奨
- ストレージ
-
1 TB 以上推奨
- モニタ
-
22インチ(1920×1080)以上推奨